先頃、「壁紙が剥がれない場合の対応方法」の記事を見た方から電話がありました。

「今、DIYと言うか、自分で壁紙を剥がしているのですが、壁紙剥がれなくて困っています。」

「ネットで調べたら近藤さん(ポリバレンテインテリア)の記事を見て電話した次第です。」

「現状は、頑張って剥がしているんですが、ちょっとずつしか壁紙が剥がれないんです。」

「このままでは、とてもじゃないが全ての壁紙を剥がし切れないです。」

と言う、内容でした。

「壁紙が剥がせない」と、男性が電話で助けを求めている

壁紙が剥がれない4つの原因

そこで、壁紙が剥がれない4つの原因と解決策を説明しました。

※各原因の詳細に関しては「壁紙が剥がれない場合の対応方法」をご覧下さい。

解決策として

壁紙が剥がれない原因がいずれであっても、素人がそれを解決するのは容易ではありません。
職人でも難儀するような高い技術か、並々ならぬ忍耐力と根性が必要です。

そこで、この場では言えませんが、「DIYであれば、こうしてみてはいかがですか?」「とても大変だけど。」と助言をしました。

私が現場に行くことに

するとその方は、ぽつりぽつりと真実を話し始めました。
話が長くなるので、要約すると以下の通りです。

  • 実は、私は工事関係者です
  • ですが、壁紙は本業ではありません
  • できれば、近藤さん(ポリバレンテインテリア)に作業を手伝って欲しい
    そして、壁紙が剥がれにくい場所には、シールパテを掛けて欲しい
    ※シールパテに関しては「壁紙が剥がれない場合の対応方法」をご覧下さい。

以上のような話なので、私は現場に行くことにしました。
ただし、タダではいけません。
料金は「人工(人件費計算)」です。

可哀想ですが、彼にとっては想定外の余計な出費となります。

素人が壁紙を剥がせない理由

早速、一緒に作業をしました。
剥がさなければいけない壁紙の量が多かったので、私も本気を出さなければいけない状況でした。

だから作業前に、簡単に壁紙の剥がし方を教え、「後は(私を)見て覚えて下さい。」「やっていれば上達します。」と指示しました。

そこで「素人が壁紙を剥がせない理由」に気付きました。

  • 道具が悪い
    一応、本人も道具は持っていたのですが、私の道具を貸しました。
  • 技術がない
    これは仕方がない。直ぐには解決できません。
  • 分っていない
    何て言えば良いんでしょうか。
    問題にぶち当たったときに、誰かに教えてもらう以外の解決策がない。

    親や社会から、その様に育てられてしまっているから仕方がないとは思いますが、おじさんは問題にぶつかったときに、高圧的に自分で解決するように育てられたので、助言の仕方が良く分かりません。

    優しく導かれた経験が全くないからです。

素人が壁紙を剥がすポイント

とにかく、シールパテの出番もなく、全ての壁紙を剥がすことができました。
勿論、彼も頑張りました。
本当です。

彼がいなければ、全ての壁紙を剥がすことはできませんでした。

その結果、「素人が壁紙を剥がすポイント」を見つけました。

  • 適切な道具を準備する
  • 壁紙を剥がすために工夫をする

以下で、それぞれ解説します。

「適切な道具を準備する」

壁紙を剥がすためには「適切な道具を準備する」必要があります。

彼が持っていたのは「カッターの刃が付いたスクレッパー」でした。
スクレッパーとは、ざっくり言うと「何かを剥がすためのへら」のことです。

この道具は、使いにくいです。

そこで、私の「パテベラ」を彼に貸しました。
(この時点で、私のパテベラは死にます。もう使い物にはなりません。素人に道具を貸すとはそういうことです。)

これだけで、壁紙は格段に剥がしやすくなります。

「壁紙を剥がすために工夫をする」

道具が良くても、それを使いこなさなければ、道具の能力は半減します。
(この意味では、私は「カッターの刃が付いたスクレッパーを使いこなせない。」とも言えますね。)

つまり、その道具を使って「壁紙を剥がすために工夫」をしなければなりません。

  • へらの角度
  • へらの動かし方

これらを自分なりに工夫して道具を使います。

また、壁紙を剥がす際の「壁紙の引っ張り方」にも工夫が必要です。

  • 壁紙のつかみ方
  • 壁紙を剥がす向き
  • 壁紙を剥がす力加減

これもまた、自分なりに工夫をしなければなりません。

いずれも、全ての作業を同じやり方でやるのではなく、その都度変化させて、臨機応変にやることが壁紙を剥がすポイントになります。

まとめ

確かに、壁紙が剥がしにくい現場ではありました。
しかし、「壁紙が剥がせない」という分けでもありませんでした。

壁紙が剥がせない理由は、単に壁紙を剥がすための基本的な知識がないからでした。

少々嫌みに聞こえるかもしれませんが、私は手取り足取り壁紙の剥がし方を教えてもらっていません。
親方から道具を渡されて、「さあ、やれ。」と言われただけです。

勿論、親方も一緒に作業します。
「見よう見まね」と「自分で工夫」をしながら、作業をこなしました。
それが「普通」だったからです。

しかし、時代が大きく変わり、教わらなくてもできたことが、できないのが「普通」となりました。

壁紙を剥がすためには、道具や技術も必要ですが、なにより作業する際の「工夫」が大事だと個人的には思います。
「工夫」とは対応力、言い換えれば知性です。

「少し厳しいですか?」
昭和生まれの「ゴリゴリの職人」なので、広い心で受け止めて下さいね。

「ずるいですか?」
大人なので。

「まとめ」の内容を考える職人

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