「壁紙を貼り替えたら臭いがする。」
「ホルマリンが入っている、安いノリ(接着剤)を使ったんだろう。」
と言った、工事後にお客さんからクレームを言われたことがあります。
事前にきちんと説明しておけば良かったですねぇ。
と言うわけで、この場を借りて、何故臭いがしたのかを説明します。

ホルマリンを使っている壁紙のノリは存在していない
そもそも、ホルマリンを使っている壁紙のノリは存在していません。
過去に、シックハウスの原因とされたホルマリンが、ノリの防腐剤として使用されていたのは事実です。
しかし、現在ではホルマリンが社会問題になり、使用しているノリは製造されていません。
当然ですね。売れないから。
もちろん規制もあるでしょう。
そして、メーカーは現在「ゼロホルマリンのノリ」であることを強くアピールしています。
つまり、臭いの原因はノリではありません。
※補足すると、厳密にはノリも若干臭いはします。
臭いは壁紙のインク
「臭いは何故しているのか?」を職人として個人的な見解を述べさせていただきます。
おそらくそれは、壁紙のインクの臭いです。
やや刺激的で、「ボールペンの臭い」みたいな感じです。
壁紙はインクを使って製造します。
ですから、壁紙は「印刷物」だと思ってもらうと分りやすいと思います。
新品の本や雑誌から独特な臭いがしますよね。
それと同じ感覚です。
※正確には、ノリとインクの臭いですが、圧倒的にインクの臭いが強いです。
壁紙が印刷物だと言う所以
壁紙が印刷物であると考える理由に「使用したインクの番号」があることです。
壁紙には2つの番号が付いています。それは、「品番(型番)」と「ロッド番号」です。
「品番(型番)」に関して説明するまでもありませんね。品番がないと、壁紙の区別が付きません。
そして、「ロッド番号」とは、使用したインクの番号です。
何故インクの番号が必要なのかをざっくり言うと、「同じ分量の色を混ぜて、同じ色を作ろうとしても、同じ色にならない。」ということから、「同じ番号のインクで作った壁紙を使わないと、色が変わりますよ。」ということになります。
同じ品番の壁紙を使っているのに、色が変わってしまうのでは困ります。
だから、インクの番号が必要なのです。
そして、職人はロッド番号を意識しながら壁紙を施工します。
以上のことから、壁紙が「印刷物である」と考える所以となります。
※ロッドについて「ロッドとは」のページで詳しく解説しています。
カラフルな色の壁紙の方が臭いがきつい
壁紙を施工していると、「臭いを感じるもの」と「感じないもの」があります。
得てして、白系の壁紙よりもカラフルな色の壁紙の方が、臭いがきついです。
このことから、臭いの原因はインクではないかと思っています。
あくまで、私の個人的見解です。
ただし、はっきり言えることは、ホルマリンの臭いではないことです。
意識的に換気をして下さい
「工事後の臭い」の対策として、意識的に換気をして下さい。
ノリが乾く(水分が蒸発する)につれ、インクの臭いも和らいでいきます。
とは言え、「臭いがする」状況が、ホルマリン的な環境ホルモンが放出されている様な心配があると思います。
それについては私も同感です。
「シックハウスの予防対策について」と言うページで、(超個人的な)環境ホルモン対策を提案しています。
参考にして下さい。
ノリが乾くスピードは?
ちなみに、ノリが乾くスピードは、「季節」や「建物の気密性」「住宅の場所」などによって様々です。
当然のこととして、夏場は早く乾き、冬場は時間がかかります。
過去に、一戸建てが密集した新築現場では、1ヵ月たってもノリが完全に乾いていませんでした。
冬場の施工で建物の気密性が高く、建物が密集した場所で風通しが悪いことが原因だと思います。
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